「科学的」じゃないと売れない!

三洞の「これが言いたい!」

 ここ1週間ほど、ものすごく順調に仕事が進んでいます。

 「仕事が進んでいる」という言い方だと誤解を生むかもしれません。「作業をどんどん片付けている」のように聞こえるかもしれないから。
 もちろん作業も片付いているのですが、それ以上に思考量が増えている。
 いわゆる「充実している」と自分で思える状態になっています。

 誰だって、いつもそういう状態に身を置きたいと願っているよね。
 ところが、人間、そんなに強くはないから、そう簡単には自分をコントロールできない。
 私のような自己規制を放棄した人間は、なおさらです。

 ところが……そういう状態に身を置く「秘訣」が分かってきました。
 「コツをつかんだ」のようなことではありません。「理論を知った」ということ。

 実際、その「コツ」のようなことは、たくさんの本に、イヤというほど書かれているのですが……それを知ったところで、自分にもできるというワケではありません。それどころか、ほとんどの「コツのようなこと」は、やってみても「やっぱ、自分には無理だわ」になってしまうものです。

 それは、ちょっと売れているように見える人が、MDなんたらの分科会で「私はこうして売れた」と語るのと同じ。その人にはできても、あなたにできるワケではありません。
 しかも、語る人も「なぜ?」が分かっているワケではないし、それが今後も上手く行く方法なのかの確証もない。
 つまりは汎用性がなく、根拠も理論もない方法なのです。そんなものを知って、やってみたって、大抵は時間と労力の無駄に終わるのですよ。


 今読んでいるのは「脳」の本。
 人間の脳って、すごいし、不思議だよね〜。

 その脳の働きによって、人は、充実もするし、やる気がなくなったりもする。
 だから、科学的に「なぜそうなるのか?」を知ることができれば、充実する方向に、自然に自分を向かわせることができる。

 でも、科学的じゃないと、「やる気が出ないんです」という質問に対して、「バカ! やる気を出せ!」のような、まったく不毛な回答しか出てこない……。
 「お腹がいっぱいなんです」に対して「バカ! 腹を減らせ!」って言うのは……ムチャクチャだよね。でも、それと一緒。生保セールス業界の教えは、すべてがそうなのです。
 
 この本を読んでいると、生保セールスに向けた示唆のような記述がたくさん出て来ます。
 だから、緑のマーカーの箇所(このメルマガやマーケティング・レターのネタになる記述)がどんどん増えて行きます。
 せっかくだから少しだけ紹介しましょうね。

〜〜〜〜〜〜
 ……その一方では(三洞注:「理論だけ知っていても、行動する方法がわからなければ行動できない」という事実に対して)、知識をデータベースに蓄えることをせず、データベースを創造的に活用することばかり重視するところもある。そうした場では、課題について深い理解を得ることや、知識を記憶し保存して豊かな構造を持つデータベースを作る必然性が無視されている。
 すると、即興は上手だが深い知識に欠ける人ができあがる。職場でもこんな人がいるだろう。まるでジャズ・ミュージシャンのように即興の受け答えをしながら、つまるところは、なにひとつ知らないような人が。こういう人たちは、知性というギターを弾いているふりをしているだけなのだ。
〜〜〜〜〜〜

 こういう部分を読むと「ガハハ笑い」が止まらなくなるのですよ。
 私が常々言っていることとまったく同じだからね。

 「職場でもこんな人がいるだろう」……まさに前述した、分科会で喋っている人たちの姿ですよ。
 そうした人が幅を利かせているような「場」では、「深い理解を得ることや、知識を記憶し保存して豊かな構造を持つデータベースを作る必然性が無視されている」……見事に「活動量型セールス」の姿を表していますよ。
 受講生に向けて書くと、私が言う「システム構築」「資産の蓄積」「幸福に根ざした思考」「ありたい姿」の、まさに言い換えですよね。
 
 つまりは、「科学的な思考に基づいた理論のない場では、人は進化しない」ということを、「脳の本」では、科学的に解説してくれているのです。


 この部分の少し後に、一卵性双生児に同じビデオを見せる話が出て来ます。
 で、一卵性双生児であっても、同じビデオを見て、まったく違う「感じ方」「思考」をしている……その違いはどこから来ているかと言うと「知識」なのです。

 つまり、科学的な根拠を持って現象を見ている場合と、何の知識もないままに見ている場合では、脳の働きは大きく変わるということ。
 受講生は「なぜ時間を掛ければ掛けるほど、何度も会えば会うほど、成約率が下がるのか」という科学的根拠を知っている。
 でも、それを知らないほとんどの生保セールスは、「時間を掛けろ」「何度も会え」と言われてしまうと、疑問も抱かずに「売れない方法」「廃業への道」を選んでしまうのです。


 上記の例はベタ過ぎるものだけれども、「科学」の本には、この他にも、いわゆる私が言う「会社の教え」を否定する科学的な根拠がたくさん書かれています。
 それなのに、今の世、日本という先進的国家において、科学的根拠が一切ないどころか、それに反する教えがまかり通っている生保セールスの世界……「進化できない」「絶滅する」のは、人類の進化の歴史から言って「必然の事象」なのですよ。

 最後に。
 これもデータとして出てくるんだけど、「指導者に安心感を持てない」とか「指導者が生徒の興味を引きつけておけない」という状態では、知識は脳のデータベースに刻みつけられないんだって。
 さらには「強要」「威圧」で教育しようとすると、学習能力そのものも損なわれてしまうそうです。

 ……そういう環境に身を置いているあなた、一刻も早くそこから脱出しないと、人類の進化の歴史から言っても「絶滅」しちゃうからね。