私は、生保セールスに転身する前は、広告代理店のマーケティングプランナーでした。
広告代理店のような世界の人間からすると、金融業界ってのは、地球の裏側のリオデジャネイロのようなもの。
「正反対の世界」と感じられるのです。
でも、都合が良かったから、その「真裏の世界」に行っちゃいました。
1995年のことです。
当時は男の生命保険売りが8000人くらいしかいなかったら、男だというだけで差別化できた・・・今よりもはるかに楽な時代でした。
さらに、広告だのマスコミだのといった業種から、生保セールスに転身する人なんて滅多にいなかったから、私の場合はさらに売りやすかったと思います。
ただし!
保険屋になったからと言って、保険屋らしい格好をしたり、保険屋らしい態度で見込み客と接したり、保険屋らしい口のきき方をした瞬間、そのメリットは一瞬で消滅してしまいます。
例えば、真面目な優等生の集団の中に、ちょっと不良がかった人が入って来たら・・・みんな警戒して近寄らないですよね。
逆も同じ。ちょっとトッポい軍団の中に、真面目で硬そうな雰囲気の人が入って来たって、遊んでくれませんよ。
広告代理店なんてのは、口のきき方はぞんざいだし、すぐに「ちゃん付け」で呼ぶし、名刺交換だって、「あ、これ、名刺」なんて言って片手で渡しちゃう世界。
もちろんマーケティングプランナーなんてのは、ノーネクタイにヒゲ面がごく普通。
そんな人たちに対して、きっちりスーツにネクタイをして、両手で名刺を捧げ持って、「はじめまして。ソニー生命の五十田と申します。よろしくお願いします」なんてやっちゃったら・・・その瞬間「よそ者」扱いされて、敬遠されてしまうのです。
もちろん保険だって売りにくくなります。
ダン・ケネディが、こんなことを言っています。
~~~~~~
人々は多種多様なサブカルチャー、ニッチ、グループなどに分かれ独自の言語を形成しています。警官や消防士が使う専門用語もありますよね。オハイオ州クリーブランドでは、東側と西側で方言が異なりますよ。そうすることによって人々は、あなたが用心すべき不法侵入者なのか、歓迎すべき気の合う仲間なのかを素早く見受けられるのです。
~~~~~~
だから私はセミナーで、「前職こそが最大の強み」と言っています。
でも、会社の教えは「そんなもん、捨てちゃえ!」で、「売れない金太郎飴」を押し付けるのみ。
ホント、憎むべき教えですよ。
で、さらにダン・ケネディは、こう続けます。
~~~~~~
あなたがセールストークを発する際、起こりうることを3つ挙げてみましょう。
1、イライラするほどに不適切である
消費者に対して無知、軽視、あるいは怠惰であることが一目瞭然で分かってしまうトークに、良い反応はほとんどないでしょう。
先日、私はカイロプラクター向けに書かれた28ページにわたる広告を読みました。内容は非常に良かったのですが、「医療科学」という専門用語が3回も使用されていました。
よって、この広告は捨てたほうがいいかもしれません。なぜなら、読者の30%から50%、またはそれ以上がこのような専門用語を目にした時に捨ててしまうからです。
小さい蝶つがいが組み合わされて大きいドアが閉まります。広告もセールスもビジネスの構造も同じなのですよ。たった一つの不適切な言葉でドアは閉ざされてしまうのです。
~~~~~~
昨日、セミナー受講生のLINEグループで、トークについての突っ込んだ会話がなされていましたが、ホント、受講生であってさえも、ほとんどの人が「悪しき既成概念」のおかげで、「セールスを瞬時に台無しにしてしまうような言葉」を、頻繁に使っているのです。
セミナーで「これは禁句!」としつこく言われた人でさえ・・・ですよ。
ダン・ケネディに言わせれば、28ページに及ぶ広告の中で、「医療科学」という言葉がたった3回使われただけで、「捨てたほうがいいかもしれません」なのです。
ましてや、セミナーを受講していない人のトークなんて、それはそれは恐ろしいほどの「禁句のオンパレード」・・・これでもまだ柔らかい表現ですよ・・・「禁句だけで構成されたトーク」と言っても過言ではないのです。
そんなもん、売れるはずネ~じゃん!
もうホント、悲しくて苦笑するしかないですよ。
・・・あなた、明日もそういう言葉を発して、撃沈するんですよね。
悲しいね~。
「あなたがセールストークを発する際、起こりうることを3つ挙げてみましょう」の残りの2つも非常にためになるのですが、それは次号のメルマガで紹介・解説します。