「譲歩」を得るための「提供」

生命保険営業の本質!

すべての会社、およびほぼすべての指導者による「理論とは真逆の、あなたを売れなくし、不幸にする、間違った教え」は、恐ろしいパワーを持っています。
中世の黒死病(ペスト)よりも、はるかに強力です。
感染後3年以内の致死率が93%なのですから。

さらにこの憎き病原菌は、完治までに結構時間がかかるケースが多いということに、最近、気付きました。
それは、セミナーを受講してくださった人でさえ、根本的な勘違いをしたままにワークをやったり、ツールや台本を作成してしまうケースがしばしば見受けられるのからなのです。

なぜ、せっかくセミナーを受講したのにそうなってしまうのかと言うと、「理論とは真逆の、あなたを売れなくし、不幸にする、間違った教え」を、心と頭の中から完全に除去・消毒しきれていないから。

本当は、今まで自身が持っていた「生保セールスの仕事とは、こういうもの」「営業の仕事とは、こういうもの」という「悪しき既成概念」を完全に捨て去って、その上で「理論に沿った正しい方法」を構築しなければならないのに、「こういうもの」の意識の中で、あれこれとやろうとしてしまう。

それは、どこまで行っても「無理」なのです。
「売れない言葉」は、100回言ったって売れないのです。

ということで、そうした根本的なことを考えてもらうために、少々面倒だけど、「正しい思考過程」のようなことを書いてみたいと思います。

settokuということで、まずは引用から。
本はこちら。

「説得の心理技術」デイブ・ラクハニ








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【Chapter15】 説得力を営業販売に生かす方法

<顧客を説得しないあなたは典型的なダメ営業マン>

・・営業販売担当者を対象にした研修を長年続けているうちに、営業販売で生じる諸問題は以下の3つに絞られることが分かった。

1、あなたは営業販売が好きではない。
2、あなたは営業販売を理解していない。
3、見込み客に買いたいと思わせる方法で売っていない。

(中略)誰かから何らかの譲歩を得たい時に何より心に留めておくべきなのは「この交渉で私は何を提供しなければならないか?」である。
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「説得力を営業販売に生かす方法」というチャプターで、いきなり冒頭が「顧客を説得しないあなたは典型的なダメ営業マン」という小見出しだと、生保セールスなら誰だって、「それ、どういうこと?」と読みたくなりますよね。

でね、こういうものを読む時、そして、自分の仕事についての具体的な方法を考える時には、とにかく平明な心で、既成概念を取り払って素直に考えなければいけません。
そうしないと、勝手な思い込みで読んでしまう。
その結果、正しい結論=「どうすれば自分のセールスに正しく生かせるのか」に繋がらなくなってしまうのです。

上記の引用文・・・ごくごく平明でしょ?
よくわかんない「活動量」とか「潜在ニーズ」とか「もっと」「たくさん」とかは全然言ってない。
理論に沿って書かれた教科書というのは、そういうものです。
だからこそ、そこに「正しい思考」と「売れる具体策」が生まれるのです。

で、順を追って見ていくと、「1、あなたは営業販売が好きではない」は、あなたには当てはまらないワケです。

まあ、「理論とは真逆の、あなたを売れなくし、不幸にする、間違った教え」のせいで、折角素晴らしい仕事を選んだのに、生保セールスの仕事が嫌いになって辞めちゃった・・という被害者の数は半端じゃないですけど、あなたは、「就職して、たまたま配属が営業になった」のではなく、自ら生保セールスを選んだのですから、この「1、あなたは営業販売が好きではない」は関係ありません。

ということで、問題は残りの2つ、

2、あなたは営業販売を理解していない。
3、見込み客に買いたいと思わせる方法で売っていない。

になるワケです。
でも、この2つは1つのようなもので、「営業販売を理解していないから、見込み客に買いたいと思わせる方法で売っていない」のですよ。

それはある意味仕方ないことです。
だって会社は、マーケティングと購買心理学について一切教えない(知らないから教えられない)だけでなく、「理論とは真逆の、あなたを売れなくし、不幸にする、間違った教え」を、壊れた再生機のように繰り返すばかりなのですから。

そして、挙げ句の果てには、「顧客第一」とは真逆の「見込み客が逃げていく方法」をセールスに押し付ける・・・。
それを業界として100年以上も続けているから「保険屋? しつこいから嫌い」と、世間のほとんどの人が思ってしまっているという実情があるワケです。

その結果が「3年以内廃業率93%」となってしまうのは、当然ですよね。

ということで、営業販売を理解するためには正しい理論を学ぶしかない。
学べば、「見込み客が買いたいと思う方法」も必然的に理解できます。

はい、その上で・・です。
上記引用文の、

~~~~~~
<顧客を説得しないあなたは典型的なダメ営業マン>

・・誰かから何らかの譲歩を得たい時に何より心に留めておくべきなのは、「この交渉で私は何を提供しなければならないか?」である。
~~~~~~

ここも、平明な頭で考えましょう。
「何らかの譲歩を得たい」とは、あなたの生保セールスビジネスにおいて、どういう状況ですか?

とってもわかりやすいですよね。
「保険の話なんて興味はないし、聞きたくはないけど、まあ、あなたがそう言うなら聞いてやってもイイよ」
・・これが典型的な「譲歩」ですよ。

で、その「譲歩」を得るためには、「私は何を提供しなければならないか」を常に考える必要があるのです。
では、あなたは何をていきょうしてるの?・・って聞くと、「それは・・保険の話ですよ」としか答えられない人がほとんどでしょ?

そんなの、何も提供できてないですよ。
「何かを提供」というのは、例えば、

●只今、セール中。
●この手紙を受け取った人だけに、5つの特典付き。
●60日間返金保証。使い切った後でも空の容器をお送りください。
●ランチタイムは小ライスをサービス。
●番組終了後30分以内のご注文の方には、もう1つお付けします。

みたいなことです。
「売らんがため」の説明話の、どのに「何かを提供」があるの?

そもそも、生命保険の話というのは、

●ものすごくお腹が空いているから、ラーメン屋に行く
●歯が痛いから、歯医者に行く

といったものとは違うのです。
上記は「ニーズ」。
そうせずにはいられない(生存欲求が危機感を訴える)から、「何かを提供」がなくても、顧客が自発的に行動する。

生命保険の場合は「ウォンツ」。
こちらが「何かを提供」して、欲求を喚起しないと、相手は行動を起こさない。

もちろんその「何か」は、お金やモノではありません。
私たちの商品は「見た目と喋り」しかないのだから、見た目と喋りそのものが「提供する何か」になっていないと、見込み客は「話を聞こう」と思ってはくれないのです。

わかりやすい話をしましょうね。
「話を聞いてくれませんか?」とにこやかに話しかけてきたセールスレディが、深田恭子や佐々木希だったら、私なら「是非! 何度でも!」って言いますよ。
女性の場合、そりゃ好みはそれぞれでしょうけど、セールスが福山雅治や三浦春馬だったら、「聞かせて!」って言うでしょ?
それは、目の前にいるだけで、大いなるものを提供できているから。

ただね、残念ながらほとんどの人は、目の前にいるだけで「何か」を提供できるほどの美貌を持ち合わせていない。
だから、「言葉」で提供するしかないのです。

「保険の話を聞いていただけませんか?」
「保障は大切ですよ」
「ライフプランをご覧になったことがありますか?」
「一緒に考えましょう」
「新商品なんですよ!」

これらの言葉・・・何も提供していないでしょ?
こんな言葉だから、見込み客は「どうやって断ろうか」「どうやって逃げようか」としか考えないのです。

何も提供せず、聞きたくもない話を聞かされ、「売らんがため」の長時間のセールスに付き合わされ、「いかがですか?」としつこく電話して来る・・。
これが大半のセールスですよ。

これって、「提供」しているのは見込み客の方ばっかりでしょ?
見込み客の方に「譲歩」ばかりを要求しちゃってるでしょ?
だから、見込み客をセールスのステージに乗せられないのです。
だから、セールスステップの先に進めないのです。
その結果が「3年以内に93%が廃業」なのです。

あなたがそうならないためには、すべての会社、およびほぼすべての指導者による「理論とは真逆の、あなたを売れなくし、不幸にする、間違った教え」を、頭と心の中から完全に除去・消毒しなければなりません。
そして、正しい理論を学び、平明な頭で、真の顧客第一・・顧客の気持ちになって、素直に考えなければならないのです。