必読図書「売れる脳科学」の紹介

【読まずに売れるか!】必読図書

セミナー受講後の必読図書の中から皆さんの役に立つであろう「言葉」をお送りします。
 それは、三洞さんの本の「緑のマーカー」です。

 三洞さんは、本を読む時に、受講生の皆さんに役に立つ箇所には緑のマーカーで線を引きます。
 その箇所を転記してお届けします。

 第5回目に紹介する本はこちら


(本文より抜粋)
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〈感情と脳の関係〉

 感情は、私たちの日々の生活でとても大きな役割を果たしている。
 感情は、気分の周期的な変動を生み出す。数十億個ものニューロンが神経伝達物質
 (訳注:ニューロンで生成され、シナプスで放出され、受容体を持つ標的細胞に興奮または抑制の反応を起こさせる低分子の化学物質)
 を分泌し、自分の感情の状態を意識的に解釈すると、人は幸せを感じたりがっかりしたりする。
 私の考えでは、感情が行動に及ぼす影響について、人々は正しい知識を教えられていないように思う。
 多くのビジネス書は、感情は賢明な判断を妨げていると指摘し、感情の対する良くない印象を読者に植え付けているのではないだろうか。
 それはまったくの誤解だ。
 ”感情(emotion)”という単語は、ラテン語の”動かす(movere)”に由来する。
 感情は動きよりも前に起こり、行動の方向性を左右する。
 今では、機能的核磁気共鳴断層装置(fMRI)によって、恐怖や怒りが生まれたときに機能する脳領域を明るい色で示すことができるのだが、
 これよりはるか昔に、感情的な反応の多くは本能的に顔の表情に表れる、ということをダーウィンやポール・エクマンはすでに指摘していた。
 感情は、周囲や自分自身に対する感じ方を形成し、意思決定に直接影響を及ぼす。
 神経科学者のアントニオ・ダマシオは、「人間は、考える機械として感じるのではない。感じる機械として考えるのだ」と述べている。
 最近の神経生理学的な発見によると、強い感情的な反応によって、ニューロン間のシナプス結合を強化する神経科学物質が生成されることがわかっている。
 このような状態は行動に影響を及ぼし、脳内に記憶が強く植え付けられる(記憶のマーキング)ことが知られている。
 生物学的に言うと、感情が行動に重大な影響を及ぼす理由は、感情によって”ホメオタシス”(一定の状態を維持しようとする生理的な恒常性)に変化が生じるからである。
 例えば、感情によって心拍数が増え、血圧が上がり、睡眠、発汗、呼吸、消化といった自律機能が混乱する。
 同様に、感情によって気持ちが落ち着き、静観でき、リラックスして、喜びが生まれることもある。
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〈認知バイアスのカンニングペーパー〉

 ベンソンのカンニングペーパーには疑問の余地はあるかもしれないが、その緻密な作業には感銘を覚える。
 NeuroMapでも、ベンソンが提唱する4つのカテゴリーの認知バイアスを解明・推測することができる。
 ベンソンによると、認知バイアスは次のカテゴリーに分かれる。


 【情報過多】:人の生態は「生存の優先」を条件にしているため、原始脳が影響力を持ち、認知機能が後回しになるのは当然のことだ。
 人は本来、多くの情報を処理したり、十分な時間をかけてパターンを見つけたり、意思決定のことで思い悩んだりするのが得意ではない。
 情報が多すぎると、原始脳は動きを止めてしまうからだ。

 【低い重要性】:原始脳は、複雑なデータ配列を計算したり解読したりする認知資源を持たない。
 見たことのない新しいパターンに直面し、しかもその状況に緊急性や関連性がないと、原始脳は、蓄積してある指令を取り出すことができないため、
 情報の処理を進めることができない。貴重なエネルギーを保存するためにも、人は「処理流暢性(または認知容易性)」を好む
 (訳注:人は簡単に理解できる情報の処理を好む、ということ)。

 【時間不足】:情報を処理する時間は、情報を処理するのに必要な脳のエネルギー量に直接関連する。原始脳では、情報処理の時間が短いほどよい。
 古い脳構造は、時間を必要とするような状況には見向きもしないため、優先順位も低くなる。

 【記憶不足】:原始脳は、多くの情報を格納するようには設計されていない。記憶を符号化して蓄積・維持・検出するにはエネルギーが必要になるからだ。
 最近の研究によると、憶えるという行為によって特別なニューロンが結び付き、記憶になることが実証されている。
 神経科学者のマリノー博士を中心とする研究チームは、光を当ててラットの脳のシナプス結合を刺激して、記憶を形成し、いったんその記憶を消し、再び思い出させることに成功した。
 このことから、脳(特に、原始脳)は、作業記憶(訳注:必要な情報を記憶から取り出して操作するために一時的に置いておく脳内の領域)に情報を簡単に保持でき、
 長期的な符号化を必要としないような状況や事象を好むことが証明される。
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〈個人に関わる刺激をメッセージに織り込む〉

 個人に訴え、より説得力のあるメッセージを作成するには、次の2つのポイントに従うとよいだろう。

 【何よりもまず、相手を中心に考える】:オーディエンス、見込み客、リスナーを中心にしたメッセージを作成すること。
 この当たり前のルールを忘れてしまっている広告やプレゼンテーションがあまりにも多い。
 「皆さん、おはようございます。本日は”私たちの”会社、”私たちの”価値観、”私たちの”企業理念、”私たちの”テクノロジーについてお話しします…」
 と始めるプレゼンテーションを聞いたことがあるだろう。
 このような挨拶を聞いただけで、相手を中心に考える気がないことがわかってしまう。
 なにしろ”相手”よりも”自分”を優先しているのだから。
 カーネマンによると、「心理的現在(訳注:物理的な「いま」ではなく、知覚する「いま」のこと。経時的に示された刺激や事象を1つのまとまりとして知覚する時間の範囲」は約3秒で、人は毎日これを2万回経験する。
 原始脳は自分自身に関連する情報を求めるため、かなりの時間を自分について考えていることになる。

 【相手の痛みに注目する】:原始脳には、自己を守ろうとする特性がある。
 そのため、消費者の脅威、リスク、落とし穴を解決できるというメッセージを(誇張しないまでも)強調すると、瞬時に彼らの注意を集めることができる。
 ところが、問題(消費者を中心に考える)ではなく解決策(自社の製品やサービスの機能を中心に考える)に注目したメッセージがあまりに多い。
 NeuroMapでは、解決策を提供する前に、相手が現在経験している痛みや今後避けたい痛みを思い起こさせる必要がある、と提案している。
 これは、不要なストレスを与えようとしているのではない。
 自分にとって緊急性と関連性がないメッセージを見ても原始脳はエネルギーを使おうとしない、という意味だ。
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【4種類の視覚刺激】

 オーディエンスを説得するメッセージを作成するには、次の4つの視覚刺激について理解しておく必要がある。

 ●三次元の動く物体
 原始脳に最も強く影響する視覚刺激は、空間を動く三次元の物体だ。
 特に、動きが始まるときに最も注意を引きやすい。
 ライオンがこちらに向かって走り始めたら、あなたはどのように反応するだろうか?
 大勢の人の前でプレゼンテーションをするとき、話し手は、まさに空間を動く三次元の物体となる。
 ということは、ビデオやメールで伝えるときよりも、聞き手の注意を引きやすい。
 また、顔の表情も注意を引きやすい。そのため、ボディランゲージは重要な視覚刺激となる。
 脳波図による最近の実験によると、脳は、よく知っている顔をわずか0.2秒で見分ける。
 また、物体の視覚的処理の多くは「前注意的」である、という実験結果もある。
 つまり、人は視覚情報を得ると、無意識(=前注意)の状態でその情報を処理すると考えられる。

 ●三次元の静止物体
 2番目に強い影響力を持つ視覚刺激は、三次元の静止物体だ。
 プレゼンテーションのときに、テーブルの上に小道具や模型や3Dモデルなどを置くのは視覚刺激になる。
 あるいは、プレゼンテーション中に静止している話し手も、これにあたる。
 たとえ静止していても、その物体が聞き手にとって関連性のあるもので、話し手の製品、企業、ブランド、メッセージなどのストーリーを物語っていると、原始脳は強い関心を示すだろう。
 
 ●二次元の動く画像
 3番目に効果的な視覚刺激は、「1コマ」ずつ動く二次元の画像だ。もちろん、これは映像のことを指す。
 コマが変わると原始脳は興味を抱き、楽しいと感じる。ただし、速く変わりすぎるのは良くない。
 デジタル編集では、極めて短い時間に多くのコマを表示することができる。
 ところが、映像が脳に及ぼす影響を調べたところ、1秒間に30コマ以上変わる(1コマあたり0.035秒以下)と、原始脳は情報の意味を処理できなくなることがわかった。
 これよりも速く変わると、閾下で(つまり、無意識の状態で)情報を処理することがある。このような効果を”サブリミナル”と呼ぶ。
 サブリミナル刺激が広告にメッセージを及ぼす影響については数十年にもわたって大きな関心を集めてきたが、現在ではその効果はほとんどないことが明らかになっている。
 ただし、文章や画像の刺激には明らかにサブリミナル効果があることがわかっている。
 なぜなら、文章を読むには、目だけでなく視覚皮質も関わる複雑な計算処理が必要になるからだ。
 画像からでも文章からでもサブリミナル知覚が行われるが、画像による視覚刺激の方が文章よりも無意識の注意を引きやすい。
 もちろんこれは、原始脳が優位に働くからだ。多くの学者がこの現象について述べているように、視覚刺激を解読する生物的能力は、大脳皮質の発達よりも数百万年も早く発現したと考えられ
 (例えば、大脳皮質が十分に発達していない無顎類にも視覚刺激を処理する能力が備わっていた)、言語に至っては進化の歴史は非常に短いのだ。
 また、すでに述べているように、意識的な努力をせずに視覚情報を獲得する能力は古い皮質下領域(外側膝状体、上丘、扁桃体など)が司り、より高次の皮質領域に達する前に視覚信号を処理する。
 さらに、ネガティブな感情を表した映像を見ると、ポジティブな映像よりも、脳は強く速く反応する。
 説得力のあるメッセージを作るには、相手の痛み(問題点)に注目したナラティブを採り入れる必要がある。
 また、人は見覚えのある顔を認識するのに約0.2秒かかることから、相手がストーリーの登場人物を認識し、それに共感するには、少なくとも0.2秒分の映像が必要になる。

 ●二次元の静止画像
 4番目は、いくつもの画素で構成される二次元の画像だ。これは文章や図表のことではなく、写真やイラストを指す。
 ただし、写真(客観的な形態)の方がイラスト(主観的な形態)よりも注意を引きやすい。
 というのも、原始脳が認識に費やす時間もエネルギーも少なくて済むからだ。
 カメラでとらえた実際の情景と比べて、イラストは具体性に欠け、親近感がわかないケースが多いため、効果は低い。
 相手にとってなじみのある物、状況、特徴を取り込んだ写真を独自に作成すると、さらに有効だ。
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【色の影響力】

 霊長類は、7番染色体とX染色体の変異によって、約3500万年前に3色型色覚(赤、緑、青)を持つようになった。
 そのおかげで、霊長類は、果物を採取し、天敵を見つけ、相手の顔の表情を読み取るといった利点を生かして進化を遂げてきた。
 色には、それぞれの波長に固有の効果がある。
 視覚の生理学的特性だけで色に対するすべての反応を説明することはできないが、色の認識には文化を超えた共通点があることがわかっている。
 8か国から集めた243人の被験者を対象にした実験では、青、緑、白は平穏、平静、優しさと関連付けられることが確認された。
 アメリカで行われた別の実験では、線の色と形(丸、四角、三角、波)が異なると感情価も異なることが明らかになった。
 
 ・赤は、幸福、興奮
 ・青は、平穏、悲しみ、威厳
 ・曲線は、平穏、優美、柔らかさ
 ・角は、堅牢、丈夫
 
 いったん消費者が製品と色の関連性を認識してしまうと、色が違う新製品を開発したら失敗する可能性がある。
 その例をいくつか紹介しよう。
 
・ペプシは、無色透明のクリスタルペプシを発売したが、見慣れた茶色とは大きく異なったため、すぐに販売中止になった。
・日用品の開発、製造、販売を行うバーモリーブは、新色の食器用洗剤を生産しようとしたが、消費者は、新色は黄色より「油落ち」が
良くなく、緑よりも「フレッシュ」でないと感じた。

 別の実験では、色は記憶にも大きく影響することが実証されている。
 例えば、赤はネガティブな言葉を記憶するのに効果的であるのに対し、緑はポジティブな言葉と結び付けられる。
 さらに、製品と色の関連性でだけでなく、特定の色は認知能力にも影響することが、さまざまな研究で指摘されている。
 例えば、緑は創造性を刺激するのに対し、赤は思考力を阻害する。
 つまり、包装の色、製品の色、背景の色、文字の色はすべて、オーディエンスの脳に影響を及ぼすのだ。
 説得力のあるメッセージを作るには、色を効果的に利用しなければならない。

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まだ受講していない人もぜひ、必読図書購入して読んでみてくださいね。
みなさん、今日も楽しく頑張って下さい。