契約にいたる心理的プロセス

生命保険営業の本質!

 生保セールスにとっての「作業」(=セールス)とは、見込み客をすんなりと契約に導くプロセスを指します。
 対してマーケティングとは、その前の段階の見込み客を発見するプロセス。
 プロならば、作業段階に入ったら、プロとしてのスキルを生かし、平然と淡々と、ごく当たり前にきっちりと契約を取って来なければなりません。

 で、パラパラとめくっていた本に「優秀な営業マンの条件」という小見出しがありました。書かれていた内容は・・・

 「・・・一番良いのは、本書を1週間以内に読ませることである(優秀なセールパーソンならすでに読んでいる可能性が高い)。一般的な営業販売研修を受けたことがない人物を採用したら必ず読ませて、専門的な方法論を学ばせよう」

 素晴らしい自信ですね。
 でも、まさにその通りの内容なのです。
 本はこちら。



 会社の研修を受けたって、それは「一般的な営業販売研修」ではありませんよ。だって、3年以内に93%が廃業してしまう教えが「一般的」なはずがないですから。そんなものを「一般的」だと思っていたら・・・あなたも93%組の仲間入りです。

 では、同書のChapter15「説得力を営業販売に活かす方法」からお題を抜粋します。

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 【顧客に買ってもらうための説得の5つのプロセス】

 顧客の「欲望」には、以下が必ず含まれている。

 ●自分が欲求を抱いていることを気づかせてほしい。あるいは、自分の欲求 を正当化できるように導いてほしい。

 ●「あなたは必要なものを手に入れようとしてる。最善の決断を下そうとしている。最も価値あるものを選ぼうとしている」と念押しして安心させてほ しい。

 ●今すぐ決断を下す「許可を与え」てほしい。

 営業販売に秘密など一切ない。上記の事柄をすべて提供できれば、顧客は必ず購入してくれる。要するに、人はサービスを受けたいのだ。
 「関連性」を築くこと、疑問に答えること、価値を示すことさえしておけば、あなたは相手の購入基準を設定できるだけでなく、その基準を自分の裁量によって調節することもできるのだ。
 営業販売はかようにシンプルなものだ。これをみずから難しくしてしまうと、情報提供に時間を要し、営業販売サイクルも長くなってしまう。
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 上記の一節についての考察だけでも、ニュースレター1冊分ぐらいの記事が書けてしまいます。
 それほど重要なことだし、同時に、理論を知らずに(=会社の研修のような幼稚なレベルの知識で)読んでしまうと、正解とは真逆の方向に行ってしまう危険をはらんだ文章でもあります(だからニュースレターで「言い換え」や「注釈」をしているのです)。

 もちろんメルマガですから、そのすべてを書くわけには行かないので、概略のみ書いてみます。でも、概略であっても本質の部分だから、とっても重要ですよ。

 まず最初の「自分が欲求を抱いていることを気づかせてほしい。あるいは、自分の欲求を正当化できるように導いてほしい」の部分。

 イイですか、「欲求」ですよ。ウォンツです。「ニーズ」ではありません。
生保セールスに「顧客のニーズ」など存在しないのです。「潜在ニーズを刺激して・・・」などという言葉を発する指導者は、ちょっと難しい言葉を知ったから得意になって間違って使っているだけ。小学校高学年の小僧と同じレベルです。

 だから、そういうことを言っているワケじゃないですよ。
 それを踏まえた上でないと、「何を伝えたいか」を誤解しちゃう。

 生命保険という商品を売る場合は、文章の後半の「あるいは、自分の欲求を正当化できるように導いてほしい」が該当します。だから「あるいは」という言葉(英語だとor)がここに入っています。「どっちも」ではありません。

 で、まず「欲求」というのは「生命保険が欲しい」「保障が欲しい」などという欲求ではありません。
 そういう欲求を抱いている人も存在するでしょうが、大雪山にしか生息しない天然記念物の幻の蝶みたいなもので、そんなものを追いかけていたら、滅多に遭遇できません。当然、仕事にはなりません。

 生命保険の販売する際において、顧客にとってごく一般的で、おそらく最も多くの人が抱いているわかりやすい欲求は「損をしたくない」に類する欲求です。
 購買心理学やマーケティングを学ぶと、2番目の欲求として「バカをみたくない」「だまされたくない」「恥をかきたくない」といった種類の欲求が、どんな商品・サービスを販売する際にも出てきます。「損をしたくない」は、これらの類似欲求です。
 
 その上で、購買心理学の初歩的なことですが、「購入頻度が低く、購買価格が高く、選択が難解な商品ほど、人は感情で物を買い、論理的にそれを自分に納得させようとする」・・・生命保険はまさにそういう商品ですよね。
 上記引用文は、このことを言っているのです。

 ・・・結局、書き始めると長くなっちゃうな〜。
 まあ、途中でやめずに、続きも書きます。

 「『あなたは必要なものを手に入れようとしてる。最善の決断を下そうとしている。最も価値あるものを選ぼうとしている』と念押しして安心させてほしい」

 この一文は、生保セールスにおいては、まさにプレゼンテーションを指していますね。
 正しい(=売れる)セールスプロセスにおいては、アプローチ(初回面談)の段階が「感情」で、プレゼンテーションの段階が「論理的に自分を納得させる」ステージになります。
 つまり、プレゼンテーションの内容が「説明」であっては契約にはなりません。「必要なものを手に入れようとしてる。最善の決断を下そうとしている。最も価値あるものを選ぼうとしている」と顧客を納得させる「台本」を作ることが必要になります。

 そしてその台本の最後には、

 「今すぐ決断を下す『許可を与え』てほしい」

 に相当する言葉が入ります。
 台本において、この言葉までの筋道が、見事に顧客を導く構成になっているからこそ、顧客は「今すぐ」決断するのです。
 そして最後のクロージングの言葉は「許可を与えるもの」になります。
 その言葉によって、顧客は自分の決断を「正当化」し、契約するのです。
 セールスというものは、こうしたレベルの思考とトークの積み重ねなのです。
 「頑張れ!」「活動量」「使命」などという掛け声で通用する世界ではありません。

 この続きであと2回、書けるな〜。