理解できるはずないじゃん!

生命保険営業の本質!

 まずは、御大ダン・ケネディの言葉。

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 あなたが何かを売り込みたいのなら、顧客や見込み客を悩ませたり、あれこれと考えさせたり、物事を推測や憶測させたり、理解させようとしてはいけません
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 これが正しい教えですよ!
 でも、会社の教えは完全に真逆!

 まずは、「あなたが何かを売り込みたいのなら・・・」ですよ。
 「何か」って言われて「生命保険」じゃ、話にも何もなりません。
 「オファーは不可欠」ということは、受講生なら知っているけど、生命保険ではない「形ある商品」の場合は、オファーは大抵「フロント商品」(お試し商品や、廉価版商品)になります。
 つまり、「その商品」を「売りこむ」ということがわかっていないと、フロント商品さえ売れないし、もちろんその先のメインの商品も売れないということ。
 その結果は・・・低収益ビジネスに陥るしかありません。
 「何か」・・・私たちの場合は、いきなりバックエンドを売ることになりますから、私なら「ソニーの変額終身5000万」ということが決まっていないと、その先に進めないことになります。

 「見込み客を悩ませたり・・・」
 あなたが「見込み客」だと思っていても、「最初の言葉」が適切でないと、相手を「見込み客化」できない結果になります。
 その典型が、例えば、「いつ保険の話を切り出したらいいのかわからない」になっちゃう。
 相手は、あなたが保険を売りに来たということをはっきりとわかっている。職域なんかだと、もっと明らかですよね。
 だから、相手があなたに好感を持っていようといまいと、あなたの姿を見た瞬間に、「売ろうとして、今日も来てるな」と、直感的に「感じる」のです。
 それなのにあなたが、「何かを売り込もう」としなかったら・・・相手の心の中には、瞬時に小さな「なぜ?」=小さな「悩み」が発生し、繰り返すほどに、それが蓄積して行くのです。

 さらに、「拙い対応」も、相手に「悩み」を生じさせます。
 例えば、「私、保険ってよくわからないけど、やっぱり安くていいのに入りたいとは思ってるんだよね~」なんて、ママ友が口にした!
 これで瞬時に売れなかったら、それはド素人の仕事でしょ?

 でも、「それなら今度、話をしていい? いつが空いてる?」などといった「お伺い」の「禁句」を発しちゃう。すると、ほとんどの場合、「今、ちょっとバタバタしてるから、時間が空いたら連絡するね」で終わっちゃう。
・・・そんなもん、連絡なんて来るはずがありませんよ。

 でも、ママ友は、あなたの顔を見るたびに「そうだ、連絡するって言っちゃったんだよな~」と、小さな「悩み」を抱くことになる。
 その結果は・・・あなたを避けるようになり、さらには、まだ何の話もしていないし、何も売り込んでいないのに、別のママ友との会話で、悪意なく、「すぐに『話をするからいつがいい?』って聞かれたんだよ」と言うかもしれません。
 それは事実だから、仕方のないことです。

 でも、そうしたら、話の相手が、「いやだよね~、保険屋って。図々しいし、しつこいんだもん。あの人とは喋らないでおこう」なんて会話になっちゃうかもしれない。
 人は、そういう感情を抱くと、少なくとも11人にそのことを伝えないと気がすまない・・・その結果、あなたはママ友から総スカンを食らう・・・になっても、何の不思議もありません。

 それはすべて、「禁句ばかりで構成された、ド素人並みの拙い対応」によって、相手の心に「小さな悩み」を生じさせた結果なのです。

 「あれこれと考えさせたり・・・」。
 会社の教えは「顧客に一緒に考えさろ」という、マーケティング以前の「商いの原則」・・・「短時間」「面倒なし」「選択なし」の間逆なのだから、どうしようもありません。
 でも、今書いたばかりの「いつがいい?」も、「考えさせる」ですよね。「どうしようか? 本当に話してもイイものなのか? しつこくされないか? 保険に入らなかったら、後で気まずくならないか?」といった、たくさんの「瞬間的なパルス」を発生させちゃうから、相手に「どうしよう?」と考えさせることになる。
 だから「売れない」!

 迂遠なセールスプロセスも、回り道のトークも、ヘタクソなキャッチコピーも、すべて「顧客に考えさせる」ことになる。
 だから「売れない」!

 いつも言っているように、見込み客が望んでいるのは「すんなりとゴールまで連れて行ってくれること」なのです。
 だから、「短時間」「面倒なし」「選択なし」が、商いの原則なのですよ。

 そして最後に「理解させようとしてはいけません」。
 「徹底的に説明して、理解させれば売れる」なんてバカげたことを言う指導者がいたら、この言葉を大きく書いた紙を、目の前に突きつけてやって下さい。
 それで売れるなら、最優秀営業マンは約款君で、次に優秀な営業マンはパンフレット君。ホームページ君には約款君もパンフレット君も同時に存在しているから、ホームページさえあれば、セールスなんて一切不要ですよね。彼らにはコミッションを払う必要もないのですから。

 でも、ほとんどの人のトークは、「完璧な説明はできないから、チラ見せ」をしちゃってる。
 目の前で美女が「チラ見せ」してくれるのなら、それはそれで嬉しいけど、生命保険の場合は「全部見せないと、入るかどうか判断できない」になっちゃうのです。

 でも、素人の見込み客には、たとえ全部見せたとしても、全体の10分の1も理解できないですよ。
 約款を渡して「これを読めば全部書いてありますよ」って言って売れるなら苦労はないし、そもそも読む人なんているはずがありません。
 だから「理解させる」のではなく「感じさせる」なのです。だって、生命保険は「感情売り商品の王様」なのだから。

 これが、理論に沿った、正しい考え方なのです。